植松 ゆりか

Rabbit hole

2021.8.14 - 2021.8.29

ぬいぐるみをひっくり返す。純粋性と残虐性が綯い交ぜになった行為の果て。個々の姿は、自画像のような役割も持っていたという。今回、インスタレーション作品以外で、初めてぬいぐるみを複数体組み合わせることで、関係=物語が浮き上がってきた。それは、作家自身の家族構成にも通ずる。
これまで制作に長く用いてきた、ぬいぐるみの王道であり、かわいいを代表する〝うさぎ〟。また、多産と繁殖の象徴であり、捕食される側=弱き者といったイメージも孕む。うさぎの授乳の風景。そこに宿る、母性、親子愛、無性の愛…「神聖」とされるものを身体ごとひっくり返してみたら、何が表れるか。パックリ割れて、乳、血、地、値、痴、魑、恥、治、家、弛…の見えない記憶がとめどなくあふれる。
と同時に、展覧会のタイトルが「Rabbit hole」であることにも思いを向ける。日常と非日常をつなぐ穴、思考を迷路に誘い妄想や幻想をみせる案内人も、うさぎであったではないか。ギャラリーの扉を開き奥へと歩を進める時、あなたの瞳は、どのようなワンダーランドを捉えるだろうか。

WORKS

PROFILE

略歴
2011 名古屋造形大学 造形学部 美術学科 総合造形コース 卒業
2017 愛知県立窯業高等技術専門校 卒業
個展
2021 CUT & PASTE 巡回企画展「ほふる園」HOHURU−SONO/
Maebashi Works/前橋、Art Spot Korin/京都、金沢アートグミ/金沢
Rabbit hole/L gallery/名古屋
2020 STRAY GEEP/Art Space & Cafe Barrack/瀬戸
2019 Harmageddon/ギャラリーNUMO/名古屋
2013 Revival/スペースプリズム/名古屋
グループ展
2022 Lifting The Lid Ⅱ/Oriel Y Bont, University of South Wales/Aberystwyth(UK)
瀬戸現代美術展2022/菱野団地各所/瀬戸
みのかもannual 2022 -Forest Labo-/ 美濃加茂市民ミュージアム/美濃加茂
MENBERS EXHIBITION/TANERI gallery/瀬戸
2021 みのかもannual2021 -Forest Labo-/美濃加茂市民ミュージアム/美濃加茂
2020 星月夜 -ほしづくよ- /L gallery/名古屋
なんだかうれしい!2020/愛知県児童総合センター/長久手
RECEPTOR/レセプター/masayoshi suzuki gallery/岡崎
富士山展3.0 -冨嶽二〇二〇景-/Art Space & Cafe Barrack/瀬戸

PAST EXHIBITION