大きなオリオンの覆う
宙のネジ、北極星
二人みた、シリウス青白く
静まり返ったひやかさ産毛を撫で
そうして瞬きのあはいにも
速度を増していく季節
昨夜の雨にしとされて
すべてが起きぬ間に
まだ眠っているうちに
芽吹きはじめるその前に
世界中のニワトリなら置物にかえて
二度と時を告げぬように
過ぎ越の祭、ハルの女神を閉じ込めて
ひかり閉ざされた孵らない卵の中
今日のままでこのままで、ずっとずっと
蒼い夜を数えていたかったのに
薄荷のキャンディー含んで深呼吸した
見上げたら滲んで膨らんだ
解き放たれた薄れゆく記憶は
臆病な羊の群れのようです