LEXHIBITION 展

2010.4.10(土)- 29(木)



石田典子 河村るみ 国島征二 坂田英三 笹谷晃生
杉浦誠 中田由絵 丹羽康博 平田あすか 森田朋
山本一弥 Veronika Dobers

羽根を広げる雄孔雀。その羽根の模様が美しくシンメトリーを描いているほど、求愛の成功率は高くなるという。シンメトリーとは、健康の証なのだ。雌は瞬時に判断する。その個体が、どれだけ優れた遺伝子を保有しているのか。より強い免疫力を持ち、元気な子を残せるのかを。孔雀だけでなく、植物も他の動物も「美と種の保存」とは密接に関わっていて、どうやら切り離すことができないらしい。シンメトリーに惹かれる作家が少なくないというのも、アートにもこの「種の保存」の本能が働いているのではないかしら、そんなことを考えてみる。

善と悪の、裏と表の、ユメと現実の、点や線の意味の「あちら」と「こちら」を支えるためにバランスをとる。そうでないとワタシはワタシから剥がれて、影法師を失った足下から墜落したり、鏡の中へ存なくなった自分を探し、追いかけてゆかなければならなくなる。東洋西洋問わず、多くの祈りの場が求心的かつ端正なシンメトリー構造なのも、数多の人の生と死を支えるためだろうか。

シンメトリーは安定の象徴と思われがちだが、実は、とても危うい均衡の上を綱渡りしているようなものなのかもしれない。静かな対称世界の下に広がる、底なしの闇。その闇をも糧に、褪せることなく愛でられ続けてきたシンメトリーの美。春爛漫の空気と共に、ぜひお楽しみください。