秀さん、アジア、ヨーロッパ、そして東北へ

伊藤 秀男 展

2013.7.27 (土) - 8.18 (日)



秀さんは絵描きで、絵本作家です。
たくさんの展覧会を開き、50冊ちかく絵本を描いてきました。
その絵は、例えば絵本のように文章がついていなくても
背景にある物語がズシンと伝わってくる
画面に収まりきらないほどパワーにあふれた絵です。

これまで、アジアを舞台にえらぶことの多かった秀さん。
どの絵も、ムンとした空気の湿りや植物の息づかい
そこで生活している人々のしたたかさが
これでもか! とばかりに表現されていました。
実は
「ヨーロッパに行っても、ぼくには絵は描けないんじゃないか」
そう思っていたと言います。

そんな秀さんが、60歳になって初めてヨーロッパに
足を踏み入れました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の花屋さんや
精進落としのレストラン
ファドを歌うように会話をする母娘と思しき魚屋さん
片目のお兄さんとお婆さんが店番する不思議なパリのカフェ…
旅先で出逢った風景を、心にしっかり留めて絵にします。

するとどうでしょう。
その地で生きている人々の力強さはそのままに
爽やかな水色や上気した頬の淡い桃色
グレイッシュに抑えられたトーンなどが加わり
ヨーロッパならではの空気が画面から漂いはじめたのです。

そして、スペインで目にした風景は見事
2012年に刊行された絵本
「おうしげきだん」(スズキコージ・作/岩崎書店) に結実しました。
最近は取材がてら、足しげく東北へと通っているそうです。

ジリジリ照らす陽射しなんかに負けないで
アジアからヨーロッパ、そして東北まで続く
秀さんの旅の足跡を、この夏いっしょに辿ってみませんか。