伊藤 秀男 展

2016.11.19 (土) - 12.4 (日) 13:00-20:00

 匂いたつほど濃い緑、南国特有の鮮やかな花々、それらを育む肥沃な土、翡翠色に輝く海、帰る方角を誤るほどのスコール…美しくも厳しい自然の中で暮らす人々。周囲約8kmの島。まちなかにいると、どこまでいっても部分でしかないが、久高島は太陽も海も青空も、星もすべてが島だけのためにある、宇宙のような場所だった。
   沖縄は伊藤秀男の旅の原点であるという。1995年、勧めのままに取材旅行に出かけ、初めて絵を描けたのが沖縄だった。今回の旅では、久高島に1週間ほど滞在した。
   昼寝をして、気がつくと縁側に黒猫が訪れる。そこで伊藤は山頭火風の一句を捻った。『目がさめると猫がのぞいている縁側』。 

 

 

 

作家在廊日 11/19(土)、20(日)、12/3(土)、4(日)

スケッチをしていると「お昼はどうされます?」と島の女性に声をかけられる。しばし後、竹のバスケットに入ったすてきなお弁当が届けられる。こうした出逢いや、祈りを孕んだ力強い風景が糧となり、今回の久高島シリーズは生まれた。
 実体験したことしか絵にしない、いやできない。だからこそ、1枚1枚に必ず物語が存在する、と作家本人。今展では、久高島シリーズのほか、祝島や出雲などの絵、絵本「タケノコごはん」(大島 渚・文 ポプラ社)のエッチングも並びます。大らかで心地よい色彩や、それぞれの作品の背景にある物語を楽しみに、ぜひ足をお運びください。 

 


上 「神様だけ残った」 260×380mm 水彩、紙 2016
右 「スクガラスつきのお弁当」 280×370mm 水彩、紙 2016
左 「タケノコごはん」 見返し 196×146mm エッチング、紙 ed.70 2015