記憶の成層圏VII

国島 征二 展 vol.2

2017.3.9 (木) - 3.26 (日) 13:00 - 20:00 
お越しの際はお電話にて事前にご連絡ください。
TEL 052-774-5599

 

 

 

 アトリエに、ずらりと並べられた作品群。それらを目にした瞬間、まだ明け切らぬうちからこの場で制作に向かう国島征二の姿が、はっきりと浮かび上がった。大病を繰り返してもなお、精力的に制作に打ち込むスタイルは崩さない。自分の仕事はつくること、という作家の魂を見せつけられた気がした。
 「アートがあってよかった、そうでなければどんな人生になっていたか」と自嘲混じりに振り返るが、決して懐古主義に陥っている訳ではない。長く海外のアート界でサバイブしてきた経験と照らし合わせると、日本では思い通りにエキサイティングできない歯痒さがつきまとってきた。と同時に、そのような状況を危惧するからこそ「もっと何かをしかけていきたい」きっぱりとした口調で言い切りもする。
 「本当にそれでよいのか?」という己への問いかけ。記憶は点として残り、つくり続けることで時間という線となる。鑑賞とは、すなわち作家の人生の一片に触れること。国島征二が、頑なに守ってきたのは嘘のない人生だ。昨今、その思いがより強くなってきたようだった。「この人には、振る尻尾の持ち合わせがないのよ」と横に居た妻も口にするが、声色には肯定の思いが込められていた。