空へと還る V

笹谷 晃生 展

2018.9.15 (土) - 30 (日)
13:00 - 20:00 

作家在廊日:9/15(土)、23(土)

   厳しい冬に耐えるため、葉を落とし休眠に入る樹々。落ちた葉は腐葉土となり、 新たな命の糧となる。枝ばかりとなった林をすり抜け、光降り注ぎ、春の訪れを告げる野の花たちが姿を現す。大いなるものも小さきものも、動植物は生を響きあわせ、共存している。
 これまで数多くの作品を作ってきたが、倉庫の片付けでたまたまそれらを一カ所に広げてみた景色に「多様性」という言葉が思い出されたという。この世界に存在するものはいずれも、さまざまな価値基準で捉えられるべきではないか。そうして、多様なものが共存している世界こそ豊かであるといえるのではないか。それは、思わぬところに新たな美しさを認めることにもつながるだろうと笹谷は語る。
 毎日通る路すがら、それぞれの季節に咲いている花を見つけた時、日々の世話のなかで花芽や新芽の誕生に気づいた瞬間、沸きあがるささやかなよろこび。そのような体験が、間接的に作品に影響を与えているのかもしれない、とも口にする。
 茎を伸ばし葉を広げる植物たち。例え同じ名を持っていても、よくみればそれぞれに形も大きさも違う。笹谷の生み出した林の中に足を踏み入れれば、そこにはきっと、清々しく心地よい空気が流れているだろう。

上 :No.6379 蔓景 H134×W49×D87cm/2018
左 :小景の庭/多様性について 2018

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