Wondrous journey

小澤 香織 展

2017.7.22 (土) - 8.6 (日) 13:00 - 20:00 






上:to and fro H41×W41×D9cm / 2017
左上;m to O  H22×W22×W22cm / 2017
下:deep surface ♯04 ♯05 H32×W35×D3.5cm / 2017

 

 昨年秋、郡上八幡でアーティストインレジデンスを行なった小澤香織。これまでも、不要になったものを収集し作品にしてきたが、郡上でもまちの人々から不要になった造花を集い、元駄菓子屋の民家でインスタレーションを展開した。
 搬出後、アトリエの片隅、袋に無造作に詰められた造花を目の端に認める日々。当然といえば当然なのだが、いつまでも変わることなく全ての花は咲き誇り続けている。おびただしい数の花がひしめき咲き絡む、まるで生命力の塊。そしてまた、強烈に死も感じざるをえなかった。それは異形だった。
 「1つひとつの花を取り出す際、自然の花を摘んでいるような感覚すら覚えた」と作家。「制作はそこにないはずの〝生〟と、そこにある〝死〟を往来する不思議な旅だった」とも口にする。
 雌しべと雄しべが球体を成す完璧なる受粉体。対称に配された花弁や萼の織りなす万華鏡。白く塗り込められ骨にも似た蘭の花。しかしどれもが永遠に、新たな生につながることはない。静かなまま、紛い物として命を模す。
 あえて感情を奥底に潜ませ、エッセンスの溶け出した上澄みをすくい上げる。これまで混沌としていた世界に理が介入する。真夏の陽射しを忘れさせるような風が吹く。すぅっと胸のすく香りがする、と同時にすべてが目の中で淡い光を放ちはじめる。すべてが。

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