空へと還る IV

笹谷 晃生 展

2016.3.12 (土) - 3.27 (日) 13:00-20:00


 空想世界の草地や林を彷徨い歩きながら、これまでに採集したことのないめずらしい植物を探し続けている。未だ出会っていないフォルムがあるはずだと、踏み入れていなかった領域へ足を向ける、或いは歩いてきた道すがら見落としていたものを拾いあげる。作品を眺め、また、形にしかけたが作品にならなかったものを丹念に見直す。眠る前、さまざまに思いをめぐらす。
 そう簡単にみつかるものではないのは承知の上で。なぜなら笹谷晃生は、自身の作品づくりに敢えて制約を設けているからだ。材料を叩き、曲げ、溶接する。それによってのみ生まれる形を取り入れて、数十年来、この世ならざる植物たちを送り出してきた。

               
 

 

 

 


 芽吹き、成長し、変化する植物。容易ではないでしょうが、と前置きした上で「飽きることなく新しい目でみることができる、常に新鮮な植物の魅力を、固定した形の中に閉じ込められたら…」と作家は口にする。作品に多様な側面を持たせたいのだ、と。
 非対称の葉や花弁を持ち、生長するあいだ毎日のように吹きつける風によって歪んだ茎をもつ草。背の高い植物の根元に、守られるかのように育つ小さな草たち。空想世界のプラントハンティングで新たに見つけられたという、それら架空の植物が今回、どのような形となり私たちに届けられるのだろうか。

No.6221 樹上景 h 115×w 52×d 35mm 鉄
No.6219 草本 h 80×w 83×d 72mm 鉄
No.6216 鉄花小景 h 122×w 38×d 33mm 鉄