山本一弥

水の中で揺れる

2026.3.7 - 2026.3.22

 水に入っている時に自分の輪郭がよりはっきりと感じられるように、さらに強く「かたち」を意識する。境界を極め、微妙な凹凸を研ぎ澄まし磨き上げる。たゆたう水面の如く、それらは薄い流れを持ち、ぽうと仄く光を抱く。膨大な熱量がかかっているはずなのに、そんなことは一切語ろうとしないで。
 これまでは左右対象の作品が多かったが、無意識のうちに自らに課していた制約を解き、柔軟に思考を巡らせる。トリミングされた不規則な形、左右非対称のそれらはこれまで以上に「ナニデモナイ」空気を纏い、こちらを怯ませ戸惑わせる。向こうが透けそうなほど透明度の高いもの、その中にある微妙な表情を読みとる。曖昧さを増しながら、しかし確かに彼の手で磨き上げられ定められた形だと知っていてもなお、有り様がなに一つわからないのだというような矛盾した感覚を保って。
 ゆるやかな稜線を辿る。と「ちゃぽり」小さな音がしてしばらく漂い、やがてゆったりと沈んでいく。視線でなぞる膜、わたしは外にいるのか内にいるのか、いや、わたしはここいるのか。わたしはいないのか。

WORKS

PROFILE

略歴
2000 武蔵野美術大学 造形学部 彫刻学科 卒業
2002 武蔵野美術大学大学院 造形研究科 美術専攻彫刻コース 修了
受賞歴
2004 第10回ADSP入選
個展
2017 エントランス/ Gallery OUT of PLACE TOKYO/ 東京
2016 Advent/ CCCSCD by cifaka/ 岡山
2014 相似の庭 III/ L gallery/名古屋
2011 相似の庭II/L gallery/名古屋
Desire/キドプレス/東京
2010 a piece of space APS/東京
Gallery Camellia/東京
2009 デジャブ/新宿眼科画廊/東京
NODA CONTEMPORARY BEIJING/Beijing(KOR)
2008 タブー/Gallery HIRAWATA/藤沢
ノイズ/中京大学アートギャラリーC・スクエア/名古屋
平泳ぎ/名芳洞 blanc/名古屋
2006 箱入り/Gallery覚/東京
生命の部屋V/art space kimura ASK?/東京
2005 殺風景/GALLERY HIRAWATA/藤沢
gFAL/東京
2004 ネコ屋敷/リトルモア・ギャラリー/東京
セカイノミカタ04/Gallery覚/東京
2003 判り切れないもの/Galleria Chimera/東京
2002 ギャラリー檜/東京
2001 素材展-木/GALERIE SOL/東京
2000 ギャラリー檜/東京
グループ展
2018 ダブルリフレクション 世界を見つめなおす瞬間/富山市ガラス美術館/富山
2017 北参道オルタナティブ・ファイナル/旧バニーコーポレーション本社社屋/東京
2015 本てんBOOK Chapter2/MA2 Gallery/東京
2013 アートプログラム青梅2013 雲をつかむ作品たち/青梅織物工業協同組合施設/東京
2012 LEXHIBITION/L gallery/名古屋
2007 盆景 -my favorite garden-/a piece of space APS/東京
依頼制作
スカパー東京メディアセンター/東京
飯能ビルディング/東京
JPタワー名古屋/愛知
横浜野村ビル/神奈川
ホテルオーレイン/静岡