水に入っている時に自分の輪郭がよりはっきりと感じられるように、さらに強く「かたち」を意識する。境界を極め、微妙な凹凸を研ぎ澄まし磨き上げる。たゆたう水面の如く、それらは薄い流れを持ち、ぽうと仄く光を抱く。膨大な熱量がかかっているはずなのに、そんなことは一切語ろうとしないで。 これまでは左右対象の作品が多かったが、無意識のうちに自らに課していた制約を解き、柔軟に思考を巡らせる。トリミングされた不規則な形、左右非対称のそれらはこれまで以上に「ナニデモナイ」空気を纏い、こちらを怯ませ戸惑わせる。向こうが透けそうなほど透明度の高いもの、その中にある微妙な表情を読みとる。曖昧さを増しながら、しかし確かに彼の手で磨き上げられ定められた形だと知っていてもなお、有り様がなに一つわからないのだというような矛盾した感覚を保って。 ゆるやかな稜線を辿る。と「ちゃぽり」小さな音がしてしばらく漂い、やがてゆったりと沈んでいく。視線でなぞる膜、わたしは外にいるのか内にいるのか、いや、わたしはここいるのか。わたしはいないのか。






